十干(じっかん)とは
十干(じっかん)とは、甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸の10の要素の順列をいいます。今で言うところの数字のようなものです。古代中国で生まれました。おおまかにいうと、10日間を一区切りにして、その10日間の1日1日に名前を割り付けたものです。10日を一区切りにするという考え方は、日本にも伝わっています。今でも、1ヵ月を10日ごとに区切って、月の上旬、中旬、下旬という言い方をしますよね。それです。十干単体で使われることはなく、十二支と合わせて干支(「かんし」または「えと」)といって、暦の表示などに用いられます。日本では十干をさらに2つずつに区切って木(もく、き)・火(か、ひ)・土(と、つち)・金(こん、か)・水(すい、みず)という五行にそれぞれ当てはめ、さらに区切られた2つに陰陽を割り当てます。陽を兄、陰を弟として、例えば「甲」を「木の兄」(きのえ)、「乙」を「木の弟」(きのと)などと呼ぶようになりました。「干支」を「えと」と読むのは、この「兄弟」(えと)に由来しているのです。
この十干にはそれぞれ独特の性質があるといわれています。これは、風水などで人間の性格や素質を見る場合にも使用されています。自分の生まれた日を十干であてはめて、その性質を調べてみるのも面白いかもしれませんね。
多くの人を統率して事を押し進めるリーダー的な役割の人を意味します。思慮深く質実剛健で、多くの人の信頼を勝ち得ます。
慎み深く遠慮がちに見え繊細ですが、内面はたいへん辛抱強く、物事に執着強く、保守的な人をあらわします。
陽気で情熱的、快活で華やかな人を意味しますが、反面持久力に欠け、表面的な成功に終わりがちな面もあります。
外面は柔和で物静かでも、内には鋭敏な知性を秘め、思慮に優れた人をあらわします。
社交性に富みどっしりとした貫禄のある人をあらわします。その反面、外見を飾ったり、自信過剰になりがちです。
細心で規律正しく経済観念に富んでいますが、やや度量が小さく、猜疑心の強さがあります。
世渡り上手で小才の利く人を表します。手腕がありますが、やや物質万能主義になりがちです。
強情で物事にこだわり、我が強いのですが、万難を廃してものごとを成し遂げる人を意味します。批判力が旺盛です。
黄河の水のように清濁併せ呑む度量のある人を指しますが、反面依頼心が強く、成り行きまかせのようなところもあります。
正直で潔癖、勤勉で研究心が旺盛で、自力で道を切り開いていくような人を表します。
読み方・意味
十干 | 音読み | 訓読み | 意味 |
---|---|---|---|
甲 | こう | きのえ | 木の兄 山の巨木、用材 |
乙 | おつ | きのと | 木の弟 草花 |
丙 | へい | ひのえ | 火の兄 照り輝く太陽 |
丁 | てい | ひのと | 火の弟 囲炉裏や焚き火の火 |
戊 | ぼ | つちのえ | 土の兄 山の土、堤防など乾燥した土 |
己 | き | つちのと | 土の弟 田園の湿った土 |
庚 | こう | かのえ | 金の兄 鉱物、刀剣、斧、鋸など鋼鉄 |
辛 | しん | かのと | 金の弟 珠玉、宝石、砂金 |
壬 | じん | みずのえ | 水の兄 大河、海洋の水 |
癸 | き | みずのと | 水の弟 雨露の水 |
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